アクセルスペース、Space Compassや東京海上と資本業務提携

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アクセルスペース、Space Compassや東京海上と資本業務提携

2023.04.06 11:11

飯塚直

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 アクセルスペースホールディングス(東京都中央区)は4月5日、Space Compassや日本政策投資銀行、東京海上日動火災保険、三菱UFJキャピタル7号を引受先とする第三者割当増資で資金を調達したと発表した。調達額は約9.3億円。あわせて、Space Compassと東京海上ホールディングスとの間で業務提携契約を締結したことも発表した。

 Space Compassとの業務提携では、宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想の実現に向け、成層圏通信プラットフォーム(HAPS)のほか静止軌道(GEO)低軌道(LEO)の衛星を組み合わせた新しい非地上通信網(Non-Terrestrial Network:NTN)の構築を推進していくという。

 NTTとスカパーJSATの合弁会社であるSpace Compassは、宇宙統合コンピューティング・ネットワーク構想の実現に向けた取り組みとして、光データリレーを行う静止軌道衛星の初号機を2024年末に打ち上げる予定。2026年までに追加投入して、グローバルカバレッジによるフルサービス展開を予定している。

 アクセルスペースが提供する地球観測プラットフォーム「AxelGlobe」は、小回りの効く小型衛星コンステレーションで同一地点を2~3日に一度という高頻度で観測できると説明。地上分解能2.5m、撮影幅57kmの精度が高いというデータを提供している。

 今後、高性能衛星を投入することで撮影頻度や画像解像度が向上し、光通信ネットワークによる高速・即時データリレーの活用が必須になると予想。アクセルスペースが開発する衛星でSpace Compassの静止衛星による光データリレー通信網を活用していく。

 東京海上ホールディングスとの資本業務提携では、AxelGlobe事業で今後取得するデータの各種損害保険商品やサービスへの活用について、積極的に検討を進めるという。

 衛星プロジェクトに関わる長く複雑なプロセスをパッケージ化し、統一したインターフェースとして提供するサービス「AxelLiner」の事業についても提携する。

 衛星プロジェクトは、一般的に仕様検討段階で顧客がコストやスケジュールを迅速かつ、正確に把握し、透明性を確保することが大きな課題になっているという。

 アクセルスペースは、顧客のニーズにあわせた宇宙保険の選択肢を迅速に提示するため、東京海上ホールディングス傘下の東京海上日動火災保険と連携。宇宙保険へ簡単に加入できる仕組みについて、AxelLinerのプラットフォームへの統合を目指すとしている。

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