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衛星データを森林経営とカーボンクレジット発行に活用–岡崎市で技術実証を開始

2023.02.07 13:16

佐藤信彦

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 NTTデータと西日本電信電話(NTT西日本)東海支店、Space BD(東京都中央区)、名古屋大学は、森林経営支援とカーボンクレジット発行に人工衛星から得た画像データを活用する取り組みについて、事業のサービス化を目指す活動「森林経営健全化プロジェクト」を開始した。

 森林を適切に管理するには、木々の育成状況などを把握しなければならない。森林の二酸化炭素(CO2)吸収量を算出できれば、CO2排出権を発行することで、森林資産の有効活用につながる。NTTデータらは、森林の各種データ計測に衛星画像を活用する考えだ。

衛星データを活用して森林の各種データを取得(出典:NTTデータ)

 最初の活動として、衛星データから森林のCO2吸収量を効率的に把握可能かどうか確認する。愛知県岡崎市の協力を得て、4月まで4カ月かけて技術実証を行う。

 衛星データを森林経営支援に活用する視点では、衛星画像から得られる高精細3D地図データを利用し、現地調査の必要性を下げ、コスト削減を図る。衛星画像で森林のCO2吸収量を広範囲に解析することで、将来のカーボンクレジット発行につなげる。

 最終的には、衛星データ活用による森林経営支援とカーボンクレジット発行のサービスを自治体や民間会社に提供する計画。

サービス化に向けてのステップ(出典:NTTデータ)

 カーボンクレジットとは、企業が森林の保護や植林、省エネルギー機器導入などで生まれた温室効果ガスの削減効果(削減量、吸収量)をクレジット(排出権)として発行し、企業間での取引を可能にする仕組み。

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