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水道管の漏水可能性を衛星画像で判定、効率化を確認–愛知県豊田市
2022.12.26 16:16
JAXAベンチャーである天地人(東京都港区)は12月26日、愛知県豊田市の上下水道局、フジ地中情報(東京都港区)と連携して実施している実証実験で第1回目の路面音聴調査を終了したと発表した。
同実験は、衛星画像を活用した漏水可能性区域の判定確立を目指し、2月1日から実施している。ひとつの漏水可能性区域の範囲を100m以下、漏水的中精度を約6割に向上させることを目標に、漏水調査業務の効率化を目指しているという。
具体的には、天地人の土地評価サービス「天地人コンパス」を活用し、深層学習などを用いて、光学衛星や合成開口レーダー(SAR)衛星のデータ、漏水修繕データ、管路データなどを組み合わせた「漏水リスク評価手法」を開発。豊田市とフジ地中情報が、その結果をもとに路面音聴調査を実施し、精度検証と精度向上を図るという。
1回目となる路面音聴調査は、10月24日~11月30日に精度検証用のサンプル調査として120カ所で行われた。ひとつの調査エリアが100m以下になったことで、1日に最大9エリアの調査が可能となり、調査期間の短縮効果が確認できたという。2回目については、現在評価を実施中としている。
緊急漏水調査では、9月14日に豊田市戸中町で発生した調圧水槽の水位低下に伴う緊急漏水調査で漏水可能性区域を検出。実証実験の過程で、衛星から取得した地表面温度を活用し、豊田市民に対してPCやスマートフォンなどから自宅の水道管の凍結注意度を確認できる「豊田市水道管凍結注意マップ」を提供している。