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Arqit、量子暗号衛星の運用計画を中止

2022.12.19 16:01

塚本直樹

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 フロリダ州を拠点とするソフトウェア企業のArqitは米国時間12月14日、宇宙ベースの量子暗号ネットワーク計画を破棄すると発表した。

出典:Virgin Orbit

 Arqitは、サイバーセキュリティ関連の技術を開発している。同社は量子コンピューターによる攻撃に対抗できる暗号鍵を配信するための、衛星の打ち上げを目指していた。

 しかしArqitは14日の決算発表にて、宇宙で量子通信網を構築するよりも、共通鍵暗号を地上で配信するほうが、リスクやコストの面でメリットがあると説明している。一方で量子暗号化衛星の需要はまだあり、海底ケーブルによるデータ送信を避けたい政府の防衛部門からの需要があるとしている。

 Arqitの創業者かつCEOのDavid Williams(デヴィッド・ウィリアムズ)氏は、「当社の軽量ソフトウェアエージェントとエンドポイント(顧客の機器やデータセンター)で作成した暗号鍵の安全性は、地上方式でも衛星方式と同様に強固だ」と述べている。

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