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Synspectiveの広域地盤変動解析サービス、トプコン子会社が国内外で営業

2022.12.16 07:30

飯塚直

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 Synspective(東京都江東区)と3次元測量機のトプコンポジショニングアジア(TPA、東京都板橋区)は12月15日、日本と海外に向けた衛星データソリューションサービスの販売パートナーシップを締結したと発表した。TPAは光学機器メーカー、トプコンの子会社。

 昨今、地球温暖化に伴う大雨や洪水、地震や地盤の劣化に起因する地滑りや地盤沈下など、自然災害の影響が世界規模で安全を脅かす大きな社会問題になっている。地盤変動の監視やその結果に基づく地盤沈没の可能性箇所を予測することが甚大な地盤災害を防ぐ解決策として求められているという。

 経済活動や社会生活の基盤を形成する社会インフラは、老朽化が進み適切なメンテナンスが必要であると同時に、激甚化する自然災害に対応するため、強靭化への対応も求められている。日本では、インフラの維持管理で少子高齢化の影響から技能者が不足。人手不足から今後より効率的にインフラを管理していくが必要不可欠と指摘されている。

 Synspectiveは、小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を独自に開発、運用するとともに、衛星から得られるデータを提供している。SAR衛星のデータ提供だけでなく、多様なデータを機械学習やデータサイエンスを組み合わせて必要な情報を抽出。目的にあわせて整理し、顧客の課題に対するソリューションを提供している。

SAR衛星イメージ図(出典:Synspective)
SAR衛星イメージ図(出典:Synspective)

 SAR衛星は、電波の一種であるマイクロ波を使って地表面を観測する衛星。雲を透過する波長の電波を照射し、地上からの反射波を観測するため、天候や時間帯に依存せずいつでもデータ取得が可能だという。

 SARデータを活用したサービスとして、広域の地盤変動を解析し、その結果を提供する「Land Displacement Monitoring」(LDM)も展開している。高精度で土地の変位を検出するSARデータ特有の処理技術である、Synspective独自の“干渉SAR(Interferometric SAR:InSAR)”解析で広域な地表面の変動量をmm単位で検出し、時系列で表示できるのが特徴と説明する。

 加えて、地球上の任意の箇所を監視し、地盤リスクや変動を広域、面的に理解することが可能だという。道路や鉄道工事での地盤沈下や陥没、隆起、地滑りの兆候把握、公共施設や防災施設管理などへの活用が可能だとしている。

LDM画像イメージ(出典:Synspective)
LDM画像イメージ(出典:Synspective)

 TPAは、日本を含むアジア中東地域で3次元測量機やICT自動化施工システムをはじめとする各種機器を活用。「測量→設計→施工→検査」という建設工事のプロセスをデータで一元管理し、建設工事の工場化を実現させるDXソリューションを展開している。

 今回、TPAがSynspectiveが展開するLDMの国内販売のパートナーとなり、メンテナンスビジネスを加速させるという。国内の営業活動については、SynspectiveとTPAの子会社であるトプコンソキアポジショニングジャパンが行う。

(左から)Synspective 代表取締役 最高経営責任者(CEO) 新井元行氏、トプコンポジショニングアジア 代表取締役社長 海野勝博氏

 今回のパートナーシップでは、日本国内だけでなく海外における営業活動や機能面での統合や開発も視野に入れており、双方の持つ強みを生かし新たなシナジー創出を目指すとしている。

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