特集
世界で進む「超小型衛星革命」–生みの親が語る日本が乗り遅れる理由
2022.03.15 08:00
- #GEO-X
- #SLS
- #Cygnus
- #STP
- #EQUULEUS
- #PROCYON
- #アークエッジ・スペース
- #ALE
- #LOTUS
- #NinjaSat
- #Planet
- #MarCO
- #ASTERIA
- #キューブサット
- #ESA
- #NASA
- #ISS
- #SpaceX
- #JAXA
JAXA「新しいプログラムを検討中」
NASAは超小型衛星で深宇宙探査に乗り出している。ただし、その実力は日本にも既にあると中須賀氏は指摘する。「東大では超小型深宇宙探査機PROCYONやEQUULEUS(NASAのSLSロケットに相乗り予定)を開発しています。たまたまプログラムがついたために実施できるが、継続して政府から予算が出ているわけではありません」
シンポジウムでは多数のミッションの検討状況が紹介され、中には開発が完了している技術があるにもかかわらず、実行できない。「たなざらしの状態」だと中須賀氏。
一方、理化学研究所のNinjaSatが海外のスタートアップに衛星バスを発注したことについては「彼らも実証ですから手堅い企業に行くのは当然。問題は、日本で衛星開発の力があるのに政府のプログラムがなく、実証の機会がないこと。企業が衛星バスを作り、大学やJAXAと組んでミッションを実行するというトレンドを作らないと」と力を籠める。
シンポジウムの最後にJAXA新事業促進部の原田正行氏は「超小型衛星の実用化の出口を見据えた新しいプログラムを検討中」であると述べた。「国内の事業者の輸送機を活用して、人工衛星開発に携わる皆さんとの共同研究や共創活動などを通じて一緒にミッションを検討することなどを幅広く考えている。きっと喜んで頂けるプログラムになると思っている」
超小型衛星の先駆者である日本の技術が宇宙で実際に活用されるために、どんなプログラムが発表されるのか、注目だ。