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「Fortran」の人気が再燃？–専門家が考える現状と展望

　Clune氏は、「Fortranで開発されている新規プロジェクトが確かに存在している」と述べ、小規模プロジェクトが大規模プロジェクトへと拡大していく状況について、「誰かが新機能を追加し、気が付かないうちに大規模なFortranアプリケーションが増えていくことになる」と続けた。

　しかし、Clune氏はそういったことが少なくなっていくとも認めている。

　同氏は「とりわけ、かつてFortranで記述されていた科学技術計算向けの小規模な『使い捨て』アプリケーションの多くは今や、Pythonによる小規模な『使い捨て』アプリケーションに取って代わられてきている」と述べた。

　しかし同氏によると、Fortranには依然として、新しい言語にないメリットがあるという。

　Clune氏は「Fortranは数値計算と配列操作に対する組み込みサポートが充実しているため、科学者やエンジニアにとって特に重要な位置を占めている」と述べた。

　「一般的に見た場合、PythonとJavaは実行速度に難があると捉えられている」（Clune氏）

Fortranの未来は？

　Clune氏によると、他の言語に用意されている機能のうち、委員会が取り込もうとしている「必須機能」が2つあり、それらは例外処理とジェネリックプログラミングだという。

　しかしClune氏によると、例外処理はFortranのその他の機能との連携という大きな壁があるとともに、仕様に関する合意が一部取れないために見送られたという。また、Fortran 202Yという次のアップデートは2020年代の終りまでリリースされないかもしれない。その頃にはFortranは73歳を迎えていることになる。

　同氏は「Fortran 202Yが実際にいつリリースされるのかを予測するのは難しい。私の希望は2030年を待たずにリリースされることと、自らの引退前にFortranでジェネリックプログラミングの利点を享受する機会を得ることだ。そしてもちろんながら、9年間という年月はモダンソフトウェアの世界では永遠とも言える」と述べた。

　Fortranは驚くほど長きにわたって生きながらえてきており、依然として多くの愛好者がいる。そして、Fortranのコードは世界中で数十年に渡って効率的に実行されているため、当面消えてなくなりはしないだろう。しかし、新たなライバルに追いつけなければ、新規ファンを数多く獲得したり、現在のファンをつなぎとめる上で苦労することになるだろう。

（この記事はZDNet Japanからの転載です）