ニュース

NASA、2030年までに月面原子炉の建設目指す–ダフィー暫定長官が指示

2025.08.06 12:24

塚本直樹

facebook X(旧Twitter) line

 米航空宇宙局(NASA)が2030年までに月面に原子炉の建設を目指していることを米政治サイトPoliticoが報じている

 NASAは数年前から、出力40キロワット級の核分裂原子炉システムの研究開発の取り組んできた。そして今週、同局のSean Duffy(ショーン・ダフィー)暫定長官は、「2030年までに打ち上げる出力100キロワットの原子炉について、産業界から提案を募集する」と指示を出す予定だ。

 NASAは月探査計画「Artemis」を通じて宇宙飛行士を月面に帰還させ、2030年頃までに月面に1つ以上の基地を設立する予定だ。月は自転が非常に遅く、夜が地球の約2週間続くため、太陽光発電は有人拠点にとって最適な選択肢とはいえない。

 中国もロシアや他の多くの国々と協力して、月面基地を設置する計画だ。Politicoによると、最初に月面に原子炉を設置した国が「立ち入り禁止区域を宣言し、米国の活動を大幅に阻害する可能性」があり、今回の指令は中国に先んじることを目的としている。

 NASA高官は「これは第2次宇宙開発競争に勝つためのものだ」と匿名を条件にPoliticoに語っている。

関連情報
Politico
Space.com

Related Articles