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H3ロケットは2022年度内の打ち上げ目指す–JAXA発表、エンジン部品の設計を変更
2022.09.01 19:18
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本の次期基幹ロケット「H3」試験1号機について、2022年度内の打ち上げを目指すと発表した。当初は2021年度中の打ち上げを目指していたが、新型エンジン「LE-9」に振動問題が見つかり延期となっていた。
H3をめぐっては、LE-9エンジンの燃焼試験で「液体水素ターボポンプ」と「液体酸素ターボポンプ」のそれぞれで振動問題が見つかっていた。JAXAでH3プロジェクトマネージャーを務める岡田匡史氏は9月1日の会見で、エンジン主要部品の設計変更によって、振動を解決するめどが立ったと説明した。
今後の予定については、9月上旬〜下旬に試験1号機用エンジンの燃焼試験を実施する。その後、11月上旬から中旬にかけて、実際にロケット機体を組み立てた状態でのエンジン燃焼試験(CFT)を実施するという。なお、最終的な打ち上げ時期はCFT終了後に見極めるとし、岡田氏は「まだまだ険しい道のりは続く」と述べた。
H3は、JAXAと三菱重工業、IHIが主体となり、2014年から開発が始まった。コンセプトを大幅に見直したロケットであることから、名称は「H-IIC」ではなく「H3」とした。全長約63m、直径約5.2mで、東海道新幹線の先頭車両2両分とほぼ同じ大きさとなる。1回あたりの打ち上げコストは「H-IIA」のほぼ半額の約50億円を目指している。