
ニュース
スターシップ爆発の原因は「加圧タンクの故障」–スペースXが説明
米Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)は米国時間6月19日、次世代ロケット「Starship」(スターシップ)の爆発の原因は、加圧タンクの故障と説明した。
SpaceXは18日に南テキサスにある射場「Starbase」で、Starshipの10回目の試験飛行の準備を進めていた。米メディアSpace.comによると、Starshipのエンジン「Raptor」の単発での静止燃焼試験(スタティックファイアテスト)を終えた後で、6発の静止燃焼試験のための極低温推進剤を装填している途中に突然爆発した。幸いにも、周辺住民への被害は確認されていない。
SpaceXは「Starshipのノーズコーン(先端)にある、ガス状の窒素を貯蔵するCOPV(複合材圧力容器)の加圧タンクの故障が示唆された。完全なデータレビューは、現在も進行中だ」と声明で述べている。
Starshipと、SpaceXが現在運用している「Falcon 9」(ファルコン9)のCOPVは共通していない。今回のStarshipの爆発はFalcon 9の運用には影響しないと説明している。一方で、この爆発は試験台周辺に損傷を与えた。試験していたのはMassey(マッセイ)試験台で、軌道打ち上げに用いられる打ち上げ台とは別エリアだ。
Starshipの内部の材料について、同社は「毒性分析を含む過去の独立機関による試験で化学的、生物学的、毒物学的なリスクがないことが確認している」と説明している。
「Ship」(シップ)とも呼ばれるStarshipのロケット第1段(上段)は今年1月、3月、5月の試験飛行で失われている。ロケット第2段(下段)の「Super Heavy」(スーパーヘビー)は、1月と3月に行われた7回目、8回目の飛行で発射台のロボットアーム「Chopstick」(箸)による空中キャッチに成功している。
