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マスク氏、宇宙船クルードラゴンを「退役させる」と投稿するも削除–トランプ大統領と対立
2025.06.09 16:13
Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)を率いるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、同社が製造・運用する宇宙船「Crew Dragon」(クルードラゴン)を引退させる可能性を一時示唆した。
Musk氏は「政府効率化省(DOGE)」の特別顧問を5月30日で退任後、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領との関係が急速に悪化していた。その流れの中で、Jared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏の米航空宇宙局(NASA)の次期長官への指名も撤回された。

Musk氏は6月3日、政権による減税延長法案を「利益誘導(ポーク)に満ちた歳出法案」と厳しく批判。大統領はこれに反応し、「Musk氏の企業に与えられた政府契約や補助金を打ち切ることで、米国は歳出を削減できる」と自身のSNSサイト「Truth Social」に投稿した。
Musk氏は6月5日、「大統領による私の政府契約の打ち切りに関する声明に鑑み、SpaceXは直ちにDragonの退役を開始する」と投稿(投稿は削除済み)。もし、これが実現すれば、米航空宇宙局(NASA)は国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を送迎したり物資を補給したりする手段を失う可能性があった。
しかし、Musk氏は数時間後、「二人とも頭を冷やして、数日間考え直すべきだ」というXの投稿に対し、「良いアドバイスだ。わかった、Dragonは引退させない」と反応した。NASA広報官のBethany Stevens(ベサニー・スティーブンス)氏は、「NASAは宇宙の未来に対する大統領のビジョンを引き続き実行し、業界のパートナーと協力し続ける」と述べた。
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Donald Trump大統領投稿
Elon Musk氏公式X(旧Twitter)アカウント投稿
Space.com