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中国アストロンストーン、スペースX風のロケットと空中回収で20億円を調達

2025.06.03 13:42

塚本直樹

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 中国の民間企業、宇石空間(Astronstone、アストロンストーン)は現地時間5月29日、ステンレス製の再使用型ロケットと「箸」での第1段回収システムの開発に向け、資金を調達。2カ月での累計調達額は1億元(約20億円)以上と説明している。

 Astronstoneは2024年半ばに設立された会社で、メタンと液体酸素を燃料とするステンレス製の再使用型ロケット「Astronstone-1(AS-1)」を開発している。AS-1は全長70m、直径4.2mのロケットで、地球低軌道(LEO)に15.7トン(使い捨てモード)、あるいは10トン(再使用モード)の打ち上げが可能だ。

 また、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の次世代ロケット「Starship」(スターシップ)にも似た、発射塔に設置された2本のアームによる第1段回収も計画している。米メディアSpaceNewsによれば、同社のトップは、国有企業の中国航天科技集団(CASC)でロケットを開発していたという。

 同社の発表によれば、調達した資金はロケットの研究開発や試験設備の整備に使われ、AS-1のロケット技術の実用化を加速させるとしている。「技術的な方向性はElon Musk(イーロン・マスク)氏のSpaceXに完全にあわせている」と述べている。

 今回の資金調達はQiancheng Capitalが主導し、Huacang CapitalやLingge Venturesも出資を拡大した。Astronstoneは今後数カ月でAS-1の第2段組み立てテスト、地上燃焼試験、発射塔のアーム試作機の地上試験を実施予定だ。将来的に、直径8mの大型ロケット「Astronstone-2(AS-2)」の開発も計画している。

(出典:Astronstone)
(出典:Astronstone)

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Astronstone発表(微信=WeChat)
SpaceNews

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