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スペースX、1月のスターシップ爆発原因は「内部火災」–2月28日に次の試験飛行へ
米Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)は1月に打ち上げた「Starship」(スターシップ)で発生した爆発について、「アティック部分で火災が発生したため」との原因を明かした。
Starshipは、宇宙船であり、衛星を軌道に乗せるロケットでもある第2段(上段)のStarshipと、第1段(下段、ブースター)である「Super Heavy」(スーパーヘビー)で構成。統合試験飛行(Integrated Flight Test:IFT)の7回目(IFT-7)となる「Flight 7」として米国時間1月16日に米テキサス州南部の施設「Starbase」から打ち上げられた。
Flight 7では、発射台アームこと「箸」による下段のSuper Heavyの空中キャッチは成功したものの、上段のStarshipは爆発。10機の「Starlink」(スターリンク)のダミー衛星の投入に失敗した。
SpaceXは、上段が空中で分解した理由について「飛行中に試験時よりも数倍強い共振反応が発生し、推進システムのハードウェアに過度なストレスが発生した。その結果、推進剤の漏れが換気能力を超え、アティック部分で持続的な火災が発生した」と明かしている。
SpaceXによれば、アティック部分とは上段の後部にある非加圧区画で、液体酸素タンクの底部と耐熱シールドの間に位置している。このエリアで発生した火災により、上段のRaptorエンジン6基のうち5基が制御されたシャットダウンを実行し、最終的に通信が途絶えた。
同社はFlight 7と同じことが起きる可能性を最小限に抑えるための措置を講じていると説明。例えば、上段で60秒間の静止燃焼試験を実施している。
静止燃焼試験の結果は「真空でのエンジンへの燃料供給ラインのハードウェア変更、推進剤温度の調整、今後の試験飛行で使用される新しい動作推力目標の決定に役立った」と同社は解説している。また、Flight 7の火災の原因となった箇所も改善している。
現在SpaceXは、StarshipのIFT-8である「Flight 8」に向けて準備を進めている。2月25日にX(旧Twitter)に投稿された画像によれば、発射台にSuper Heavyが設置された様子が確認できる。IFT-8は2月28日が予定されている。

関連情報
SpaceX「Flight 7」説明
SpaceX「Flight 8」説明
Space.com(その1、その2)