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アストロスケール、英国デブリ除去ミッションの中間マイルストーン達成–デブリの姿勢安定化など

2025.02.12 06:54

UchuBizスタッフ

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 アストロスケールホールディングス(東京都墨田区)は2月11日、英国子会社であるAstroscale Ltd.が、英国宇宙庁(UKSA)が主導するデブリ除去ミッション「COSMIC(コズミック)」の開発において、現在の契約フェーズの中間レビューを達成したことを発表した。

 COSMIC(Cleaning Outer Space Mission through Innovative Capture)は、低軌道上にある役目を終えた英国由来の衛星2機を安全に除去するミッション。2024年9月に受注した現在の契約フェーズの中間レビューに向けては、主要パートナーと共にデブリの姿勢安定化の技術や、ロボットアームによる捕獲システムの開発に取り組んだ。

 デブリの姿勢安定化の技術では、捕獲対象の衛星が回転していた場合に、衛星のスラスターをデブリに噴射することでデブリの姿勢を安定させる。この技術の実用性を高めるため、Astroscale Ltd.はドイツ航空宇宙センター(DLR)の実験施設で、宇宙空間を再現した真空チェンバーを使用したテストを実施し、シミュレーションと実際のデータの連携を行なった。

出典:アストロスケール

 また、Airbus Defence and Space英国、AVS英国、Nammo英国やRedwireと、機器適格性評価(Equipment Qualification Status Review、EQSR)を行い、それぞれの部品が安全性の高いデブリ除去に必要な基準を満たしているかを評価したという。

 法規制の観点でもリスク軽減を進めており、ミッションを軌道上で安全に遂行するために必要な契約のフレームワークを、法律やビジネスの観点からも精査しているとのこと。ロンドンの法律事務所DLA Piperをはじめ、英国の民間航空局(CAA)や英国情報通信庁(Ofcom)などの独立規制局、その他の政府関係各所と協力しながら、COSMICミッションのライセンス付与に必要な国内・国際法の特定と査定を実施した。

​​ 2025年3月に予定されている最終レビューに向けては、ミッションのスケジュールやコストの精査が進められる予定で、次の開発フェーズに向けた基盤作りとともに英国のISAM分野のロードマップに貢献するとしている。

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アストロスケール発表

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