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宇宙を10カ月旅した「ラーメン具材」や「外壁タイル」が地球帰還–Space BDの宇宙利活用プロジェクト

2025.02.04 14:51

UchuBizスタッフ

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 Space BD(東京都中央区)は2月4日、宇宙利活用プロジェクト「スペースデリバリープロジェクト-RETURN to EARTH-」において、2023年11月に国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打上げられた搭載品が、約10カ月間の宇宙の旅を経て、2024年12月に地球へ帰還し、NASAやJAXAによる検品を終えたことを発表した。

 スペースデリバリープロジェクトは、ISS「きぼう」の中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)に搭載する簡易材料曝露実験ブラケット(ExBAS)を活用した宇宙利活用プロジェクト。Space BDが広く参加団体を募り、対象品の選定から打ち上げ、地上回収までをサポートしている。

 第3弾では、大阪のラーメン店「人類みな麺類」のラーメン素材(麺・スープ・ネギ・めんま・チャーシュー・ラーメンどんぶり素材)や、研究開発素材、企業商品素材(アルミ・鋼板・エコカラット・外壁タイル・衛生陶器)、ロゴプレートなどを、宇宙空間へ輸送して曝露実験を実施した。

宇宙空間から打上げる前の素材・プレート(Before)
宇宙空間から地球に帰還した素材・プレート(After)

 2023年11月10日に米国フロリダ州のケネディスペースセンターから対象物を打ち上げ、11月24日に船外のポートへ取り付け船外曝露を開始。宇宙線・紫外線を浴びながら地上約400Kmの上空を秒速約8kmで飛行した。

 対象物は国際宇宙ステーション(ISS)での約10カ月間におよぶ宇宙空間曝露を経て、2024年9月5日にポートから取り外し、エアロックへ搬入。2024年12月18日に地球への着水を果たし、2025年1月にJAXA・NASAの検品を完了した。

宇宙空間からISS(国際宇宙ステーション)船内に取り入れられた様子(提供=JAXA/NASA)

 帰還した商品素材やロゴプレートなどには、宇宙線や紫外線の影響で変色した様子が確認できたという。2022年2月より実施した第1弾では約9カ月、2023年3月より実施した第2弾では約3カ月にわたってロゴプレートや研究開発素材を宇宙空間に曝露しており、今回の約10カ月という曝露期間はプロジェクト史上最長期間。なお、同社では第4弾の参加団体を募集している。

関連情報
Space BDプレスリリース

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