ニュース
ブルーオリジン、「月面重力を再現」するミッションの打ち上げ中止–悪天候と機器不具合で
2025.01.29 12:38
米Blue Origin(ブルーオリジン)は米国時間1月28日、「New Shepard」(ニューシェパード)ロケットの打ち上げを中止した。
Blue Originによれば、New Shepardは朝から発生していた分厚い雲に加えて、ブースターのアビオニクス(航空電子部品)に関する問題が発生したため、打ち上げを中止した。新しい打ち上げ目標日は後日発表される。
今回の無人ミッション「NS-29」では、30個の研究装置を打ち上げる計画だった。ミッションではNew Shepardのカプセルを1分間に11回転させることで約2分間にわたり月面重力に近い条件を再現する予定だった。
NS-29に搭載される実験装置の半数以上は、NASAの「Flight Opportunites Program」の支援を受けている。NASAは数年以内に人類を再び月に送るための「Artemis」(アルテミス)計画を支援するため、月環境に関するデータの収集を急いでいる。
全長約18mのNew Shepardは、弾道飛行で高度100kmに到達できる準軌道(サブオービタル)ロケット。宇宙空間に到達した後で地上に垂直に着陸する。カプセルはパラシュートで帰還する。ロケットとカプセルは再使用が可能だ。飛行時間は、離陸からパラシュートでカプセルが着陸するまで10~12分。微小重力環境を再現できる。