ニュース
中国、宇宙ステーションでショウジョウバエの実験–低磁場と微小重力の影響を調査
2024.12.03 16:30
中国の宇宙ステーション「天宮」(Tiangong)でショウジョウバエの実験が披露された。天宮では以前にもゼブラフィッシュの飼育実験が実施され、逆さまに泳ぐなどの行動が確認された。
天宮には10月29日に「神舟19号」(Shenzhou-19)ミッションで3人の宇宙飛行士が到着した。その後の11月15日の「天舟8号」(Tianzhou-8)貨物輸送ミッションで、成虫のショウジョウバエ15匹とサナギ50匹が天宮に輸送された。
今回の研究は、低磁場と微小重力が昆虫に与える影響を評価することが目的だ。海外メディアのSpace.comによると、「宇宙での低磁場でのショウジョウバエの実験は、微小重力と低磁場での分子メカニズム、運動特性、生物学的リズムの変化の有無を研究することが主な目的だ」と、中国科学院 上海技術物理研究所の研究員は中国国営中央テレビ(CCTV)で語っている。
実験が終わり冷凍されたショウジョウバエのサンプルは、地球に持ち帰られる予定だと語った。地上に戻った後、サンプル内の遺伝子発現は、他のグループの遺伝子発現と比較される。
ショウジョウバエはライフサイクルが短く、繁殖能力が高いことから遺伝子実験にもよく活用される。1947年に初めて地球の大気圏上層部に打ち上げられ、2015年には人体が感染症とどのように戦うのかを調べるために国際宇宙ステーションに送られた。