NASA、月探査車「バイパー」中止の背景を説明--継続すれば「商業月輸送」で4つのミッションが中止

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NASA、月探査車「バイパー」中止の背景を説明–継続すれば商業月輸送で4つのミッション中止

2024.11.29 18:09

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は7月に中止した月の探査車(ローバー)「VIPER」が「商業月面輸送サービス(CLPS)」にどのような影響を及ぼし得たのかを指摘した。海外メディアのSpaceNewsが報じている

 VIPER(Volatiles Investigating Polar Exploration Rover)は月の南極で100日かけて氷の状態で存在する水を探して分析することが目的。ローバーなどの貨物(ペイロード)の月への輸送をNASAが民間企業に委託するCLPSとして、米Astrobotic Technologyの着陸船(ランダー)「Griffin-1」で2025年9月に打ち上げられる予定だった

 VIPERでは、打ち上げに伴う追加費用と遅延が懸念されていた。NASAによれば、VIPERを継続した場合、CLPSのミッションを最大4回中止し、さらに最大4回延期する必要があったと見積もっている。「VIPERの残りの経費により、CLPSの他の多くのミッションがキャンセルされることになっただろう」とNASAの担当者は以前に述べていた。

 NASAは中止したVIPERを、商業または産業パートナーに提供する計画を進めている。NASAが要求したミッション継続に関する情報提供には11件の回答があり、それらを評価した上で「2025年初頭までに次のステップを提案する」と述べている。

(出典:NASA)
(出典:NASA)

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