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国際宇宙ステーション、デブリ回避でまた噴射–6日間で2回目
2024.11.27 13:24
国際宇宙ステーション(ISS)が11月25日に、宇宙ゴミ(スペースデブリ)を回避するためのエンジン噴射を実施した。米航空宇宙局(NASA)が明らかにした。
ISSは、ドッキングしているロシアの無人補給船「Progress」(プログレス)で約3分半、推進装置(スラスター)を噴射。高度を500m上昇させてデブリを回避した。「回避操作でISSの飛行経路に近づいている衛星の破片から離れることができた」とNASAは述べている。
ISSは11月19日にもProgressでスラスターを噴射。2015年に機能を停止した防衛気象衛星から発生したデブリを回避した。
ISSが周回する地球低軌道(LEO)はますます衛星で混み合っており、欧州宇宙機関(ESA)によれば、約1万200機の衛星が存在している。そのほとんどは、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)のブロードバンド衛星「Starlink」のものだ。
ISSの回避噴射は年々増加しており、2023年3月には1週間で2回のデブリの回避を実施した。2022年12月に発表されたNASAの分析によると、ISSは1999年以来32回の回避操作をした。
デブリは、ISSが周回するLEOでは秒速7〜8km(時速にして3万km弱)で周回している。ライフル銃の弾丸スピードが秒速1kmであることを考えると、その威力はすさまじい。実際、ISSの機体には微少なデブリによる穴が空いている。