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ロケット射場の天気予報が50%改善–4万倍の速度で動作するAIが予測
2024.07.31 17:00
Googleにヒントを得て開発されたAI(人工知能)モデルにより、米フロリダ州にあるケープカナベラル宇宙軍基地の気象予測が最大50%改善されたことが、海外メディアのSpace.comに報告されている。
サンフランシスコを拠点とするAtmoは、膨大な量の気象データを処理する自己学習アルゴリズムを開発。従来のスーパーコンピューターだと大量の人手を要し、数時間かかる処理が、数分ごとに再計算することが可能となった。この技術は、Googleの言語処理モデルと同じ技術に基づいている。
「当社の技術により、天気予報がはるかにコンパクトになる」と、Atmoで最高技術責任者(CTO)を務めるJohan Mathe氏は語っている。「スーパーコンピューターのかわりに、1つのGPUを搭載した1台のマシンで動作させている」
Mathe氏によれば、従来の気象モデルの最大4万倍の速度で動作するという、Atmoのアルゴリズムは風や気温、湿度などの主要な指標について最大50%優れた予測を提供し、1km2未満のエリア内での違いを検知できると付け加えた。
「典型的な予測には3時間から9時間かかる。我々の予測は約10秒で実行できる。これは非常に重要なことだ。毎分センサー情報が入ってきて、ボトルネックは予報そのものになる。風速がXで、雨が降っている。もし、予報を見るのに9時間かかるとしたら、常に9時間遅れることになる」(Mathe氏)