X線観測衛星「チャンドラ」、観測終了の可能性--NASA予算削減の影響

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X線観測衛星「チャンドラ」、観測終了の可能性–NASA予算削減の影響

2024.07.26 13:30

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 米航空宇宙局(NASA)に設立された、ある委員会は、2025年度予算で提案された予算削減ではX線観測衛星「Chandra」の運用が継続できないと結論づけた。海外メディアのSpaceNewsが報じた

 2025年度の予算案では、NASAの科学予算が10億ドル(約1500億円)削減されており、これによりChandraの予算を40%カットし、2029年までさらに削減することが盛り込まれている。

 NASAは「Operations Paradigm Change Review」と呼ばれる委員会を設立。委員会に提案された4つの選択肢のうち、Chandraの運用停止は予算に収まる唯一の選択肢だという。残りの3つの選択肢は、その能力を縮小するというものだ。

 NASAは現在、Chandraとハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)の今後の選択肢を検討している。どちらの運用も停止するつもりはないが、以前のレベルで運用し続けるなら、他のプロジェクトを中止することになると指摘している。

 Chandraは1999年7月にスペースシャトル「Columbia」で放出された。2024年で25年になるX線での観測活動は、X線天文学に大きな成果をもたらしたと評価されている。

(出典:NASA)
(出典:NASA)

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