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宇宙船「スターライナー」、6月2日深夜に打ち上げ–7年越しの初の有人飛行
米Boeingの宇宙船「CST-100 Starliner」(スターライナー)が初めての有人飛行に向け、射場に移動を開始した。
Starlinerは4人乗りの宇宙船で、米航空宇宙局(NASA)との契約「商業乗員輸送プログラム(Commercial Crew Program:CCP)」のもと、国際宇宙ステーション(ISS)に宇宙飛行士を輸送する(CCPでは、すでにSpaceXの「Crew Dragon」が実運用されている)。2022年5月に2回目の軌道飛行試験(Orbital Flight Test 2:OFT-2)が打ち上げられ、ISSへのドッキング、地球への帰還に成功した。
今回の有人飛行試験(Crew Flight Test:CFT)では、NASAに所属する宇宙飛行士のSuni Williams氏とButch Wilmore氏をISSに送る。2人の宇宙飛行士を搭乗させたStarlinerは、米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地からUnited Launch Alliance(ULA)の「Atlas V」ロケットで現地時間6月1日午後12時25分(日本時間6月2日午前1時25分)に打ち上げられる予定。
もともとCFTは5月6日の打ち上げが予定されていたが、Starlinerからのヘリウム漏れが検出され、打ち上げは延期された。しかし、NASAとBoeing、ULAはヘリウム漏れは軽微な問題だとし、6月1日のCFTの打ち上げを承認した。
2022年5月のOFT-2実施後、安全性に問題があるとして、NASAは有人飛行を延期してきた。
当初、NASAとBoeingは2010年に最初の契約を交わし、これまでの契約総額は45億ドルとみられており、超過費用は14億ドルとされている。CFTは当初、2017年が計画されていた。
今回のCFTに参加する宇宙飛行士の2人はISSに約1週間滞在する予定。CFTが成功すれば、Starlinerによる正式な宇宙飛行士の輸送ミッションは2025年以降になるとみられている。