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アクセルスペース、衛星での撮影をサブスクリプションにしてメディア向けに提供
2024.04.26 14:00
アクセルスペースは4月26日、自社の衛星による「撮影サブスクリプション」サービスの提供を開始した。読売新聞東京本社が採用したことも発表した。
今回のサービスは、地理的制約を受けにくく広範囲を観測できる衛星の強みを生かしてメディアや報道での「砂漠化、森林破壊など、地球規模の変化をビジュアルで把握したい」「人が立ち入りにくい紛争や災害地域、遠方の状況を伝えたい」「報道のための調査や分析、ファクトチェックを強化したい」などのさまざまなニーズに応えられるという。
最大の特長として、ユーザーが画像購入を前提とせずに手軽に衛星で撮影できることを挙げている。アクセルスペースがユーザーに提供する、撮影のシャッターを押す権利(画像撮影権)に基づいて、ユーザーが撮影の場所を指定して、既定の期間内に撮影できる。
撮影した画像は、アクセルスペースの「AxelGlobe」ウェブサイトからサムネイルとして閲覧して必要なものだけを購入してダウンロードして使用できる。撮影は、アクセルスペースが開発した衛星「GRUS」5機で構成する、国産で唯一という光学衛星コンステレーションが担う。
アクセルスペースは、今回のサービスを地球観測プラットフォームであるAxelGlobeのメニューとして提供していく予定。
読売新聞は、今回のサービスで撮影、購入したプロダクトを分析して、ウクライナ情勢などの調査報道に活用しているという。
税別価格は基本料が1カ月60万円。1カ月の撮影回数は10回。撮影面積は1~900km2。1回のダウンロードで25万円。ダウンロード3回目以降は無償としている。
ユーザーが撮影を希望する範囲を「関心領域(Area on Interest:AOI)」とし、アクセルスペースは地球全体を約5km×5kmの正方形で区切ったセルという独自のメッシュを整備していると説明。撮影を依頼するときは、撮影を希望する範囲をユーザーが提供し、アクセルスペースが指定された範囲を包含するセルをAOIとして設定する。このAOIが課金対象面積になる。
指定できる撮影範囲は、最大で900km2(東西30km×南北30km)。1回の撮影でAOIの全域を満たすように撮影する。指定できるAOIの面積は最小1km2、最大で900km2。ドーナツの形状や飛び地となる形状には対応していない。
ユーザーからのAOIの情報をもとに、アクセルスペースがほかのユーザーからの撮影要求や撮影キャパシティ、天候状況などを確認し、契約期間内でユーザーに可能な限りよい条件となり得る日に撮影するという。撮影日はアクセルスペースが判断して決める。ユーザーが撮影日を指定することはできないとしている。
天候の影響や衛星に起因する不具合などから、撮影したが画像プロダクトの一部で画像が欠損するケース、雲などで地表面が視認できないケースがあるが、こうした場合でも撮影されたとみなすと説明する。