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アクセルスペース、2025年度に衛星を7機追加–地上の「毎日撮影」が可能に

2023.08.03 17:17

小口貴宏(編集部)

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 アクセルスペースは8月1日、同社が展開する民間観測衛星コンステレーション「AxelGlobe」の現況と今後について報告した。2025年後半には追加で7機の衛星を打ち上げるほか、2026年度には解像度40cmスペックの高解像度衛星も打ち上げると説明した。

アクセルスペースの執行役員でAxelGlobe事業本部長を務める深澤達彦氏

 AxelGlobeは現在、解像度が2.5mという中分解能の光学衛星「GRUS」を5機運用し、地球上の任意の場所を2日に1度撮影できる体制を整えている。2025年度に追加するのは次世代衛星の「GRUS-3」で、同衛星の投入によって毎日の撮影や大量撮影が可能となり、農業や環境分野でユースケースを拡大できるという。

 このほか、2026年度には解像度40cmスペックの高分解能衛星の打ち上げも計画している。同衛星は文部科学省に「H3」ロケット試験1号機の失敗で軌道に投入できなかった先進光学衛星「だいち3号」(ALOS-3)の後継ミッションとしても提案しているという。

AxelGlobe事業のロードマップ

 また、衛星間光通信やエッジコンピューティングの技術開発にも取り組む。これらを実装することで、地上とほぼリアルタイムの通信を実現し、新たなサービスやアプリケーションの実装につなげられるという。

 このほか、宇宙で宇宙を撮影して、そのデータを宇宙空間のトラフィック管理や衛星の健康状態管理に利用する宇宙状況把握(Space Situational Awareness:SSA)のサービスも提供する。

 同社のGRUS衛星は本来はSSA向けには設計されていないが、姿勢制御能力の高さや運用の柔軟性によって、SSAに対するニーズにも対応できるという。説明会ではGRUS衛星から国際宇宙ステーション(ISS)を撮影を撮影した実画像も披露された。

宇宙状況把握(SSA)のニーズにも対応

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