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東京海上日動、宇宙旅行者向け保険を提供開始–個別に補償範囲を設定、リスク評価
2024.04.10 08:30
東京海上日動火災保険は4月8日、これから成長が期待される宇宙旅行ビジネスを支援していくため、宇宙への出発から地上に帰還するまでのリスクを補償する宇宙旅行者向け保険の提供を開始すると発表した。3月28日に新たな宇宙関連情報サイト「SpaceMate」を開設したことも発表した。
宇宙旅行者向け保険では、これまでの宇宙保険分野で培ってきたノウハウなどを活用し、宇宙空間と地上間の移動にかかるリスクを分析、評価。宇宙への出発日から地上に帰還した日までに発生した傷害から旅行者自身が死亡または後遺障害が生じた場合に補償する商品となる。
搭乗機の打ち上げ日の前、帰還後の保険期間中に発生したケガや疾病で治療が必要となった場合なども補償の対象。同保険は海外旅行保険での引き受けとなり、個別の旅行形態などに応じて補償範囲を設定するとともにリスクを評価して、保険を引き受けるかどうか可否を判断する。
宇宙旅行には無重力を体験できる小宇宙旅行、国際宇宙ステーションへの滞在、月の周回など、さまざまな種類がある。今後は、それらの実現を目指す事業者とともに、リスク実態に即した最適な保険も検討していく。
宇宙旅行者向けの保険の提供を通じて、旅行者ニーズを踏まえた補償を拡充するとともに、幅広い宇宙体験や旅行への「安心」の提供を実現し、宇宙旅行の普及への貢献を目指すとしている。
3月28日に開設したSpaceMateでは、宇宙産業を支える企業や自治体との対談企画の他、宇宙旅行や宇宙を体験できる施設やイベントなどの情報も紹介。SpaceMateで、宇宙旅行者向け保険の提供も予定しており、宇宙に関わる体験からリスクへの備えまでさまざまな情報を発信していくとしている。
同社は、宇宙産業に携わる顧客の取り組みを支援し、産業の成長・発展に貢献することを目指して、2022年2月24日に「宇宙プロジェクト」を始動。同プロジェクトを通じて、月面探査ミッションを支援する「月保険」を開発、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との「宇宙リスクソリューション事業」に関する共創活動など新たな商品やサービスを研究、開発している。
近年、宇宙旅行ビジネスは米国を中心に拡大しつつあり、「宇宙旅行元年」といわれる2021年には、宇宙旅行者の数が職業宇宙飛行士の数を上回るなど、本格的な運用が始まっている。
日本国内でも、民間企業を中心とした宇宙旅行サービスの立ち上げが進められており、宇宙旅行という新たな挑戦を支援するため、今回、宇宙旅行者向けの保険の提供を開始したと説明している。
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東京海上日動プレスリリース(PDF)