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宇宙飛行士にツバメの巣を–九州企業のエムスタイル、宇宙食の開発に着手
2024.04.04 17:12
ヒナが巣立った後、二度と使用されないという100%天然のアナツバメの巣を使って化粧品ブランドとペットケアブランドを展開するエムスタイルホールディングス(福岡市中央区)は天然アナツバメの巣を原料とする宇宙食の開発に着手した。4月4日に発表した。
中華料理の高級食材として知られるツバメの巣に活用されるのは、アナツバメ類のうち数種とされている。同社代表取締役社長の稲富幹也氏がマレーシアで採取するのは、ツバメの巣市場で偽物や養殖物が多いためという。
同社はツバメの巣を活用して、化粧品ブランド「BI-SU(ビース)」(同社グループ会社エムスタイルジャパン運営)とペットケアブランド「MIRANEST(ミラネスト)」(同社グループ会社ミラネスト運営)を展開している。2017年には、研究開発部門としてツバメの巣研究所を設立。天然アナツバメの巣とシアル酸(N-アセチルノイラミン酸)について研究しているという。
2021年から九州大学と共同研究を進めている。ツバメの巣エキスを皮膚細胞に添加したところ、長寿遺伝子の活性が向上し、ミトコンドリアの数や面積、活性が高まったという。アナツバメの巣を食べることで皮膚細胞の変化を測る2つの疑似的な実験でも同様の結果が得られているとしている。
ミトコンドリアは細胞内に存在する細胞内小器官であり、ATP(細胞内におけるエネルギー)の生成を担っている。細胞の活動に必要なエネルギーの90%以上はミトコンドリアで生産されているとされている。
同社は、筋肉や骨など身体機能の著しい低下がみられる宇宙飛行士にツバメの巣を役立てたいとして宇宙食の開発に乗り出した。宇宙食の市場規模は、2040年には数千億円規模になると推計されており、地上でのアスリート向け商品や類似点が多い災害食への活用も期待されていると説明する。
現在、日本では32団体、56品目が「宇宙日本食」として登録されているが、九州の企業は登録されていない。宇宙日本食は、食品メーカーが提案する食品を宇宙航空研究開発機構(JAXA)が定める認証基準と照らして基準に満たした場合に認証される。
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