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スペースワンの民間ロケット「カイロス」、3月9日は打ち上がらず–警戒区域に船舶、次回は13日以降

2024.03.09 11:24

藤井 涼(編集部)小口貴宏(編集部)

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 スペースワンは2024年3月9日午前11時17分、同社の射場「スペースポート紀伊」(和歌山県串本町)から、独自ロケット「カイロス」を打ち上げる予定だったが、同日は打ち上がらず日程変更することが発表された。同社によれば延期理由は「警戒区域に船舶が残っていた」ためで、次回打ち上げは3月13日以降を予定しているという。

「テレビ和歌山」の公式YouTubeより

 カイロスは固体燃料の3段式で、これに加えて軌道投入精度を高めるための液体推進系キックステージ(PBS)を備える。ペイロードは地球低軌道(LEO)へ約250kg、太陽同期軌道(SSO)へ約150kgを投入可能。高さは約18m、全備重量は約23トン。LEOに1500kgを投入できる宇宙航空研究開発機構(JAXA)のロケット「イプシロンS」(高さ26m)よりもさらに小型だ。

 内閣府から受注した「短期打上型小型衛星」を搭載しており、打ち上げ後に軌道投入ができれば、民間企業単独で人工衛星の打ち上げに成功する日本初の企業となる。

 スペースワンは、キヤノン電子IHIエアロスペース清水建設、日本政策投資銀行の共同出資によって2018年に設立された。前述のカイロスロケットを用い、衛星を地球周回軌道へ年間30回程度の打ち上げることを目指している。初回の打ち上げは2022年を予定していたが、これまで4度にわたり延期をしていた。

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