英宇宙庁、アイスペースなどに3億円提供--月探査の「分光計」開発を支援

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英宇宙庁、アイスペースなどに3億円提供–月探査の「分光計」開発を支援

2024.03.06 14:33

佐藤信彦

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 ispace(東京都中央区)は、英宇宙庁(UKSA)が国際的な宇宙探査プロジェクト支援活動の一環として、ispaceと英レスター大学の月分光計開発プロジェクトに150万ポンド(約2億8568万円)の資金提供をすると発表した。

 ispaceは、月周回軌道や月面への輸送サービスを事業化し、「シスルナ(cislunar、地球と月のあいだの空間)経済圏」の構築を目指している。現在は、月探査プログラム「HAKUTO-R」で月面着陸に挑戦しているが、「月での活動はあくまで最初のフェーズ」(ispace代表取締役 最高経営責任者=CEOで創業者の袴田武史氏)と説明する。

 今回の資金提供は、国際的な月や火星、金星の探査計画で英国の役割強化を目的とする政策によるもの。ispaceのほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米航空宇宙局(NASA)の取り組みも支援する。

 ispaceとレスター大学の獲得した資金は、ispaceの月着陸船と月面探査車で使用する月分光計の開発プロジェクトが対象。「ラマン分光法」と呼ばれる方式で月に存在する氷状態の水を調査し、月探査の期間延長にその水を使えるかどうかの判断材料とする計画。

 ispaceは、欧州子会社のispace EUROPEを通じ、月への貨物(ペイロード)輸送サービス契約締結に向けた交渉をレスター大学と進めている。

関連情報
ispaceプレスリリース
UKSAプレスリリース


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