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月面探査車を開発するダイモン、「天井裏点検ロボット」の開発に着手
2024.02.13 14:24
月面探査車「YAOKI」を開発しているダイモン(東京都大田区)は2月13日、YAOKIをベースに「天井裏点検ロボット」の開発に着手したと発表した。2024年内の開発完了を予定している。東京都中小企業振興公社の助成事業「2023年度 TOKYO地域資源等を活用したイノベーション創出事業」に採択されている
同社はYAOKIを中心にした「月面探査事業」を主力事業としつつ、「地上ロボット事業」への技術展開を図っているという。天井裏点検ロボットは1960年代からの高度経済成長期に建設された老朽化ビルの維持や保全が目的。
YAOKIの特徴であるシンプル、小型・軽量、高い走破性を生かし、地上点検ロボットへの展開を図ったもので、天井裏点検ロボットとして改良することで複雑な天井裏や配管設備を安全かつ効率的に点検できるとしている。
月面探査車から天井裏点検ロボットに転用するために、2輪を4輪に変更することで配管などの障害物の乗り越え性能を向上させる。車輪を耐熱樹脂から弾性材などに変更し、グリップ力が高められるとしている。
車輪については、月面砂地走行に適した形状から点検に適した形状に変更され、走行を最適化させる。月面探査用カメラから広角カメラに変更し、立体把握センサーなどを追加搭載し、点検精度を高める。
同社は、地上点検ロボットの中でも、天井裏点検ロボットは特に市場ニーズが高いと説明。天井裏点検ロボットは、ビルの天井裏など、人が立ち入れない狭いスペースや危険な領域の点検を可能とし、ビルの定期的な点検作業を効率化できるという。
2024年内の開発完了を予定しており、販売先として、ビルのオーナー、管理会社、メンテナンス会社などを想定。将来的には、公共施設ビルやマンション、配管などのインフラ設備など対象ビルを追加することで事業の拡大を図る計画だという。今後は、被災地救済ロボット、配管・廃炉点検ロボットなどへの応用も計画している。
YAOKIは、米Intuitive Machinesが開発する月着陸船「Nova-C」に搭載され、月探査ミッション「IM-2」として月の南極に送り込まれる予定。Intuitive Machinesにとって初の月探査ミッション「IM-1」は2月14日に打ち上げられる予定。
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