ニュース

小惑星探査機「ルーシー」、地球めがけてエンジン燃焼–木星に向けてスイングバイ

2024.02.07 16:45

塚本直樹、田中好伸（編集部）

　米航空宇宙局（NASA）の小惑星探査機「Lucy」（ルーシー）は2月3日、地球への接近に向けて重要なエンジン燃焼を成功させた。

　Lucyは5つの木星のトロヤ群小惑星を探査する計画で、2021年に打ち上げ。2027年にはL₄トロヤ群に到達し、各小惑星を探査する。2023年1月に太陽電池パネル関連のトラブルも発生した。

　Lucyは2月3日に36分以上にわたり、メインエンジンを噴出した。これにより、火星と木星の間の小惑星帯をかすめる現在の軌道から、木星付近に探査機を移動できる。今回のエンジン噴出でLucyは地球に接近する軌道に入った。

　推進剤の半分を使い果たしたLucyは地球の重力を利用し、史上初めてトロヤ群小惑星へと向かう。Lucyにとって、これは2回目の地球を利用したスイングバイ（天体重力推進、重力アシスト）となる。

　Lucyは、火星と木星の間に位置する小惑星「16 Psyche」（プシケ）を探査する小惑星探査機「Psyche」とともに選ばれたNASAの「Discovery」プログラムに含まれる。

　2023年11月に「Dinkinesh」（ディンキネシュ）、2025年4月に「DonaldJohanson」（ドナルドヨハンソン）、2027年8月に「Eurybates」（エウリュバテス）、2027年9月に「Polymele」（ポリュメーレー）、2028年4月に「Leucus」（レウコス）、2028年11月に「Orus」（オルス）、2033年3月に「Patroclus」（パトロクロス）と「Menoetius」（メノイティオス）、それぞれの小惑星をフライバイする。