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「中国に月探査で打ち勝て」米下院がNASAに指示–アルテミス計画の遅れに懸念
2024.01.18 15:45
米連邦議会下院の科学・宇宙・技術委員会(House Committee on Science, Space & Technology:HSST)は米国時間1月17日、米航空宇宙局(NASA)が主導する月探査計画「Artemis」(アルテミス)に関する公聴会を開催し、複数の委員が計画の遅れについて懸念を表明した。
Artemisは再び米国人宇宙飛行士を月面に立たせ、長期的な人類の存在を月に確立することを目標としている。先日、有人で月を周回する「Artemis II」が2025年9月に、人類が月に降り立つ「Artemis III」が2026年9月に延期された。
共和党議員でHSST委員長のFrank Lucas氏は冒頭で「人類を月に送ることに興味があるのは、我々だけではない」と述べた。共和党議員のRich McCormick氏は「宇宙における世界のリーダーとして2045年までに米国を追い越すという、中国の目標を許すわけにはいかない」と発言している。
NASA副監査官のGeorge Scott氏や米政府説明責任局(Government Accountability Office:GAO、旧会計検査院)のWilliam Russell氏は、Artemisでの有人月面探査は野心的なスケジュールと透明性の欠如、予算の問題を抱えていると述べた。
「NASAが現在及び将来のミッションの総コストを完全に計算し、正確に報告しなければ、議会が決定を下すことは難しいだろう」
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