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衛星データ基盤「Tellus」、キヤノン製超小型衛星のサンプルデータを無料で公開

2022.07.07 16:55

飯塚直

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 さくらインターネット(大阪市北区)は7月7日、衛星データプラットフォーム「Tellus」でキヤノン電子(埼玉県秩父市)の超小型人工衛星「CE-SAT-IIB」から得られたサンプルデータを無料公開すると発表した。

 今回無料公開されたサンプルデータは、2021年1月~2022年5月に東京都23区を中心に撮影された36シーンの夜間画像。夜間の市街地の灯り、道路や船舶の様子などが確認できる。

CE-SAT-IIBで撮影した東京の夜間モザイク画像(出典:さくらインターネット)
CE-SAT-IIBで撮影した東京の夜間モザイク画像(出典:さくらインターネット)

 CE-SAT-IIBは、2020年10月に打ち上げられた超小型人工衛星(重量は35.5kg、サイズは292×392×673mm)。2020年10月末にニュージーランドからロケット「Electron」で太陽同期軌道(高度500km)に投入されている。

 CE-SAT-IIBにはメインペイロード、姿勢系コンポーネント、オンボードコンピュータ、電源制御機器など、キヤノン電子が開発する製品が多数使用されており、自社開発の超高感度カメラのほか、キヤノン製の民生デジタルカメラである「EOS M100」や「PowerShot G9 X Mark II」を搭載。地球観測のほかにも、天体観測や他の衛星の観測など、さまざまな用途を検証している。

CE-SAT-IIBの地上分解能は口径200mmの望遠鏡で5.1m、口径87mmの望遠鏡で2.3m(出典:キヤノン電子)
CE-SAT-IIBの地上分解能は口径200mmの望遠鏡で5.1m、口径87mmの望遠鏡で2.3m(出典:キヤノン電子)

 キヤノン製の高感度CMOSセンサーを搭載した超高感度カメラと口径200mmの望遠鏡を組み合わせた撮像装置を搭載しており、地上解像度(直下視)5.1mの夜間画像を撮影することを可能としている。

 キヤノン電子によると、数メートル級の解像度を持ち、夜の地表をこれほど明るく撮影できる超小型人工衛星はおそらく世の中にはないとしており、Tellusでの公開については、キヤノン電子の新しい取り組みを体験する機会の提供にあるという。

 Tellusは、同社が経済産業省事業を受託し、開発、運用している日本発の衛星データプラットフォーム。衛星データや衛星データ処理に役立つさまざまなアルゴリズムや開発環境をクラウド上で提供。衛星データに加え、気象や人流などの地上データを順次搭載していくとしている。

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