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月の南極で氷を探す探査機「VIPER」、AIを活用–経路をシミュレーションで評価
2023.12.27 15:30
米航空宇宙局(NASA)の月探査ミッション「Volatiles Investigating Polar Exploration Rover(VIPER)」で人工知能(AI)の活用がブログで解説されている。
VIPERは月の南極で氷などの資源探査が目的。当初は2023年11月の月着陸が予定されていたが、現在は2024年11月にスケジュールが延期されている。
VIPERではAI機能として「システムヘルス対応リアルタイム・プラニング・アドバイザー(System Health Enabled Real-time Planning Advisor:SHERPA)」を搭載している。これは探査機が進む経路データをリアルタイムにシミュレーションで評価することで、VIPERの安全かつ効果的な航行をサポートする。
VIPERのAI機能は経路のサポートだけでなく、ミッション時間の制約を伴った計画を立て管理する。この技術は、科学的目標と月面運用の実用性とのバランスを取るためにも不可欠だ。
VIPERは、NASAが月に探査機などの貨物(ペイロード)の輸送を民間企業に委託する「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」の一環で米Astrobotic Technologyが運ぶ。Astroboticは月着陸機「Griffin」にVIPERを搭載予定。Griffinは米Space Exploration Technologies(SpaceX)の巨大ロケット「Falcon Heavy」で打ち上げる予定。
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