小型SAR衛星のQPS研究所、東証グロースに上場--初値は860円、公開価格の2.2倍

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小型SAR衛星のQPS研究所、東証グロースに上場–初値は860円、公開価格の2.2倍

2023.12.07 19:06

飯塚直

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 小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発、運用するQPS研究所(福岡市中央区)は12月6日、東京証券取引所グロース市場(証券コード:5595)へ上場した。

 午後1時46分に公開価格390円の2.2倍となる860円で初値を付けた。終値は制限値幅の下限になる710円。

 同社は2005年に福岡で創業。名前のQPSは「Q-shu Pioneers of Space」の頭文字を取っており、九州宇宙産業の開拓者となること、日本や世界の宇宙産業への発展に貢献するとの思いが込められているという。

 九州大学での小型人工衛星開発の技術をベースに、国内外で衛星開発や宇宙ゴミ(スペースデブリ)に取り組んできた、九州大学名誉教授の八坂哲雄氏が創業者。現在の代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)の大西俊輔氏も九州大学 大学院 航空宇宙工学専攻 博士課程を修了している。

 QPS研究所は、従来のSAR衛星に比べ質量が20分の1、製造コストが100分の1という小型SAR衛星を開発する企業。現在、夜間や天候不良時でも高分解能かつ高画質に観測できるSAR画像を提供している。

 衛星を毎年複数機打ち上げ、2025年以降を目標に36機体制の小型SAR衛星によるコンステレーションを構築する計画。実現すれば、平均10分ごとの「準リアルタイム地上観測データサービス」の提供が可能になるという。

 「QPS-SAR」衛星の1号機「イザナギ」、2号機「イザナミ」に加えて、6月に打ち上げた6号機「アマテル-III」を運用している。3号機と4号機は、2022年10月の「イプシロン」ロケット6号機の打ち上げ失敗で軌道に乗ることができなかった。

 アマテル-IIIは、書き換え可能な半導体「Field Programmable Gate Array」(FPGA)を搭載した軌道上画像化装置が搭載され、軌道上でのSARデータの画像化に成功している。7月に分解能46cmの画像を取得。民間の小型SAR衛星では日本最高という。

(出典:QPS研究所)
(出典:QPS研究所)

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QPS研究所プレスリリース

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