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有人月探査「Artemis III」、2027年以前には実施できず–米会計検査院報告

2023.12.04 14:15

塚本直樹

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 米会計検査院(GAO)は米国時間11月30日、米航空宇宙局(NASA)による有人月面探査ミッション「Artemis III」は2027年以前には実施されないと報告した。

 Artemis IIIは、半世紀ぶりに宇宙飛行士を月面に立たせるミッションだ。月面への着陸には、Space Exploration Technologies(SpaceX)の「Starship」のバリエーションとなる有人着陸システム(Human Landing System:HLS)を利用するが、その開発の遅延への懸念が以前から報告されていた

 GAOによれば、Artemis IIIは複数の技術的な課題と現実的ではないスケジュールから遅延される可能性が高いとしている。月面で宇宙飛行士が使用する宇宙服により大きな酸素タンクを組み込むための重要な設計作業も残されていると、報告書は述べている。

 HLSプログラムとSpaceXは13の重要なプロジェクトマイルストーンのうち、8つを半年から1年延期している。宇宙服を開発しているAxiom Spaceは2つのマイルストーンを完了しているが、まだ開発の初期段階にある。

(出典:NASA)
(出典:NASA)

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