X線突発天体監視速報衛星「こよう」、今夜打ち上げ--重力波天体をリアルタイムに通報

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X線突発天体監視速報衛星「こよう」、今夜打ち上げ–重力波天体をリアルタイムに通報

2023.12.01 15:10

飯塚直

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は12月1日、金沢大学のX線突発天体監視速報衛星「こよう」が日本時間12月2日午前3時19分(米太平洋標準時12月1日午前10時19分)に打ち上げられる予定と発表した。

 米カリフォルニア州ヴァンデンバーグ宇宙軍基地からSpace Exploration Technologies(SpaceX)の「Falcon 9」ロケットで打ち上げられる。SpaceXの公式X(旧Twitter)アカウントで生中継される。

 「こよう」は広視野X線撮像検出器を搭載し、ガンマ線バーストなどの重力波を伴う突発天体をX線で撮像観測。発生時刻や発生方向を同定し、その情報をほぼリアルタイムで国内外の地上と宇宙の観測施設に通報できるという。サイズは493×450×488mm。重量は43kg。

「こよう」外観(出典:JAXA)
「こよう」外観(出典:JAXA)

 「こよう」はJAXAが進める「革新的衛星技術実証」3号機の実証テーマとして選定された。

 革新的衛星技術実証プログラムは、宇宙基本計画で示された「衛星開発・利用基盤の拡充」の衛星開発・実証プラットフォームにおけるプロジェクトの戦略的推進の一環。大学や研究機関、民間企業などが開発した部品や機器、超小型衛星、キューブサットに宇宙で実証する機会を提供する。

 民間事業者や大学などの新たな知見を獲得、蓄積し、将来のミッションやプロジェクトを創出したり民間事業者による宇宙実証ビジネスを確立したりすることが目的。新規技術を反映し、政策課題解決の省庁ニーズをより高度かつ効果的に実現したり、国際市場でのシェア拡大などにつなげたりする狙いもある。

 「こよう」を含めた革新的衛星技術実証3号機は、プログラムの3回目の実証機会。大学や研究機関、民間企業などから募り、7つの部品・機器・サブシステム、8機の超小型衛星・キューブサットという計15のテーマが選定された。

 小型固体燃料ロケット「イプシロン」6号機の打ち上げ失敗で7つの部品・機器・サブシステム、5機のキューブサットは軌道投入されていない。

「こよう」ミッションマーク(出典:JAXA)
「こよう」ミッションマーク(出典:JAXA)

関連リンク
JAXA発表
革新的衛星技術実証3号機概要
こようプレスキット(PDF)

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