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日本版GPS「みちびき」の「信号認証」対応国産ドローンを実証実験–コアなど
2023.10.16 08:00
システムインテグレーターのコア(東京都世田谷区)は10月13日、準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System:QZSS)「みちびき」の「信号認証サービス」に対応した国産ドローンの開発に向けた実証実験をACSL(東京都江戸川区)と楽天グループと共同で実施すると発表した。
内閣府が公募した「2023年度みちびきを利用した実証事業」で同社の「みちびき信号認証サービスを用いた国産ドローンによるアンチGNSSスプーフィング実証」が採択された。今回の実証実験は、その一環。
現在、作業効率化や安全性向上などへの対策として、自動運転やドローンの自律飛行技術が普及している。
ドローンなどでは、自己位置を取得するために「みちびき」を含めた全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)が広く利用されているが、悪意のあるユーザーからの誤動作を防ぐためにセキュリティ対策が極めて重要となっている。
特に、GNSS受信機の位置を狂わせてドローンや自動車、船舶などを本来とは違うルートに誘導する「GNSSスプーフィング(なりすまし)」が大きな脅威として指摘されている。現在のドローン市場は、中国製がシェアの8割以上を占めており、情報漏洩などの安全性が懸念されている。
そこで、GNSSスプーフィング対策として、「みちびき」から配信される電子署名情報と、受信機があらかじめ保有する公開鍵を利用。衛星からの正常な信号かどうかを判別し、妨害信号を遮断する「信号認証サービス」の導入が2024年度に予定されている。
信号認証サービス対応の受信機をコアが開発。受信機を搭載するドローンはACSLが開発する。追加機能としては、GNSSスプーフィングを受けた際のドローン操縦者への通知機能や航行停止機能を予定する。
今回の実証実験では、楽天グループが協力して公共の交通網が利用しにくい山間部などドローンの物流利用を想定した環境で行われるという。
コアは、信号認証サービスに対応することで国産ドローンの競争力であるセキュリティ機能をさらに強化し、安全性や信頼性の向上に務めるとしている。