ニュース
大阪大学発スタートアップ、デブリ対策にレーザー活用で豪企業と合意
2023.10.11 15:03
大阪大学発スタートアップのEX-Fusion(エクスフュージョン、大阪府吹田市)は、宇宙ゴミ(スペースデブリ)対策にレーザー技術を活用する目的で、オーストラリアEOS Space Systemsと基本合意書を締結した。
デブリの問題を緩和するアイデアの1つとして、高出力レーザーの利用が検討されている。レーザーをデブリに照射することで、デブリを捕捉したりデブリの軌道を変えたりして、人工衛星やデブリ同士との衝突を防ぐという。
レーザーをあてると言っても、デブリを破壊するわけでない。レーザーを照射することで生じる「レーザーアブレーション」と呼ばれる現象を利用する(関連記事:その1、その2)。
EX-Fusionは、レーザー核融合炉の建設を目指しており、ハイパワーレーザーに関する専門知識を保有している。一方のEOS Spaceは、ハイパワーレーザー技術を手がける企業で、宇宙空間にある物体の追跡、特性分析、識別、光通信といったサービスを提供している。
両社が持つハイパワーレーザー技術は、デブリの追跡などに利用できる可能性がある。そこで、ハイパワーレーザーシステムを備える地上ステーションを用い、デブリ問題へ対処する方法を検討していく。
EX-Fusionは、オーストラリアで100%子会社EX-Fusion Australiaを設立した。南オーストラリア州に拠点を置き、現地でハイパワーレーザーの事業展開に取り組む。