ニュース
水沢VLBI観測所、ブラックホール研究支援のクラファン開始–目標1000万円
2022.04.22 17:06
国立天文台の水沢VLBI観測所は、ブラックホールの研究を進めていくために、クラウドファンディングサービス「READYFOR」で支援キャンペーンを開始した。
水沢VLBI観測所は、現在の岩手県奥州市に臨時緯度観測所として1899年に設置された天文台。1988年に国立天文台水沢地区へと改組されて以降、主に電波観測を実施してきた。
遠く離れた場所にある複数の電波望遠鏡を組み合わせて観測する「超長基線電波干渉法(Very Long Baseline Interferometry:VLBI)」という技術を用い、国際協力プロジェクトである「Event Horizon Telescope」(EHT)に参加してブラックホールの影を人類史上初めて撮影する、といった成果を挙げている。
ただし、以前から予算削減が続いており、費用を装置の維持や運営へ優先的に割り当てる必要があるため、研究者の雇用を絞らざるを得ないという。特に、若手研究者を処遇するポストは、ほぼなくなってしまったという。そこで、国立天文台として初めてのクラウドファンディングを開始した。
募っている支援金は3000円から。3万円で「オリジナルブラックホール手鏡」が受け取れるコース、「オリジナル南部鉄器風鈴」が受け取れる、より高額なコース、水沢VLBI観測所の所長による観測所案内ツアーに参加できる50万円のコースなど、300万円までのコースが設定されている。
支援受付期間は6月17日まで。目標金額の1000万円に対し、記事執筆時点(日本時間4月22日16時)で442万7000円の資金を集めている。キャンペーン期間はあと56日ある。