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冥王星に連なる火山地帯、「氷の噴火」で巨大ドーム形成
2022.03.31 08:00
太陽系の最果てにある準惑星の冥王星。米航空宇宙局(NASA)の探査機「ニューホライズンズ」がとらえた「氷の火山」が、改めて関係者を驚かせている。
ニューホライズンズは2015年7月に冥王星と衛星に最接近した。この時に収集した情報は、今も冥王星に関する定説を書き換えている。
氷の天体、冥王星の平均気温は氷点下232度。山脈や峡谷、氷河、平原、クレーターが存在している。地表に立てば、青い空と赤い雪が見えるはずだ。
写真の新たな解析を行った結果、冥王星の起伏の多い地帯の様子は、冥王星上のほかの地帯とも、近隣の惑星とも異なっていることが分かった。
米サウスウェスト研究所のケルシ・シンガー氏は、「太陽系のほかのどの場所でも見たことのないような、非常に大きな氷の火山が連なる場所が見つかった」と語る。
この研究結果は29日、科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表された。
この地帯は、古代の衝突盆地を覆う幅1000キロの氷床「スプートニク平原」の南西に位置する。この地帯はほとんどが起伏の多い氷水でできていて、溶岩ドームが連なり、最大級のドームは「ライト山」「ピカール山」と呼ばれている。
ライト山は標高約4~5キロ、全長150キロ。ピカール山は標高約7キロ、全長225キロ。
ライト山はハワイにある地球で最大級の火山、マウナロアに似ていると考えられている。
(この記事はCNN.co.jpからの転載です)