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ispaceの「HAKUTO-R」、月周回軌道へ投入準備完了-4回目の軌道制御マヌーバが成功

2023.03.20 14:36

佐藤信彦

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 ispace(東京都中央区)は、民間月探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション1で打ち上げた月着陸船(ランダー)について、月周回軌道へ投入する前に実施すべきすべての軌道制御マヌーバを完了させた。

これまでの航行経路(出典:ispace)

 ミッション1のランダーは、Space Exploration Technologies(SpaceX)のロケット「Falcon 9」に搭載され、米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から2022年12月11日に打ち上げられた。2022年12月15日に初回の軌道制御マヌーバ、2023年1月2日に2回目の軌道制御マヌーバ、2月2日に3回目の軌道制御マヌーバを完了。

 3月17日には、月と地球、太陽の重力を利用しながら予定通り4回目の軌道制御マヌーバを実施し、予定の軌道を航行している。ちなみに、この4回目のマヌーバが、月周回軌道投入運用前に実施する最後の軌道制御マヌーバとなる。

 ミッション1では、打ち上げから着陸までの間に10段階のマイルストーンを設定しており、それぞれに設けたサクセスクライテリアを達成することを目指している。月周回軌道投入前に予定されていた全ての深宇宙軌道制御マヌーバを完了したことで、マイルストーン「サクセス6」までクリアできたことになる。

月着陸までの予定軌道(出典:ispace)

 今後は月周回軌道投入マヌーバ実施に向けた最終調整を進め、3月下旬の月周回軌道投入、4月末の月面着陸を目指し、以下のとおり運用する計画だという。

●Success 7:月重力圏への到達/月周回軌道への到達
●Success 8:月周回軌道上でのすべての軌道制御マヌーバの完了
●Success 9:月面着陸の完了
●Success 10:月面着陸後の安定状態の確立

ミッション1の流れ(出典:ispace)

 ミッションの途中で何らかの課題が発生した場合でも、その時点までに得たデータやノウハウなどの成果を正確に把握したうえで、2025年までに後続するミッション2、そして「Artemis」計画に貢献するというミッション3へとフィードバックする。これらの取り組みによって、技術と事業モデルの信頼度と成熟度を商業化に足る水準にまで高めることを計画している。

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