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北大発スタートアップLetara、1.2億円を調達–推進剤にプラスチック採用

2023.02.28 16:00

飯塚直

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 Letara(札幌市北区)は2月28日、SBIインベストメント、NES、BIG Impact、北海道ベンチャーキャピタルが運営するファンド、植松電機からJ-KISS型新株予約権の発行による1.2億円の資金調達を実施したと発表した。

 同社は、北海道大学 宇宙環境システム工学研究室で開発された技術を社会実装するため、2020年に設立した北海道大学認定スタートアップ企業。独自の点火技術や推力制御技術でプラスチックを推進剤とした世界初の安全かつ高推力という推進システムを開発している。

 人工衛星運用者向けの小型宇宙機推進システム「DARUMA」の製造や販売に向けた研究開発を推進。手のひらサイズから将来的には人が乗れる大きさまで、衛星の大きさに合わせた推進システムの提供を計画している。

 同社によると、人工衛星の打ち上げ数は年々増加しており、2030年頃までに年間の打ち上げ数が4000機以上になると予想されている。人工衛星を宇宙空間で素早く移動させるためには、推進力のある推進系が必要になるが、現在の技術では需要を満たすために爆発性や可燃性を伴ったものを使用する必要があり、安全性の面で大きな課題があるという。

(左から3人目から)創業者で最高経営責任者(CEO)のLandon Kamps氏、創業者で最高執行責任者(COO)の平井翔太氏、創業者で最高技術責任者(CTO)の永田晴紀氏
(左から3人目から)創業者で最高経営責任者(CEO)のLandon Kamps氏、創業者で最高執行責任者(COO)の平井翔太氏、創業者で最高技術責任者(CTO)の永田晴紀氏

 今回調達した資金を活用し、同社が開発を進めるプラスチック燃料を推進剤とするハイブリッド式の推進システムの技術実証試験を実施するという。ハイブリッド推進は、固体燃料と液体(または気体)酸化剤の燃焼を利用して推進力を発生させる化学推進の一つ。プラスチックなどの固体燃料は無毒、不燃性、非爆発性であることから、最も安全で高推力な化学推進と説明している。

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