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東洋製罐、段ボールでできた閉鎖環境検証ユニットを開発–月や火星を想定

2023.01.12 07:30

飯塚直

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 東洋製罐グループホールディングス(東京都品川区)は1月11日、極地建築家の村上祐資氏が代表を務める、認定非営利団体(NPO)法人フィールドアシスタントと、組立式ダンボール製テント「DAN DAN DOME」を活用した宇宙開発向け生活環境検証ユニット「DAN DAN DOME EXP. STATION」を開発したと発表した。

 東洋製罐グループが2020年から参画している共創プログラム「SPACE FOODSPHERE」のプロジェクトの一環。SPACE FOODSPHEREは、地球と宇宙の共通課題である「食」の課題解決を目指す共創プログラム。多種多様な40以上の企業や大学、研究機関などのキーマン、プロフェッショナルが集い、分野横断的かつ有機的な連携による研究開発や事業創出に向けた活動を推進しているという。

(出典:東洋製罐)
(出典:東洋製罐)

 今回開発したDAN DAN DOME EXP. STATIONは、DAN DAN DOMEシリーズの(1)アートモデル、(2)インナールーフ、(3)エントランスパーツ、(4)スペースユニット――を組み合わせた合計9棟のドームで構成。ネジや釘を一切使用せず、パーツを簡単にドッキングさせられる利便性、宇宙を想定した生活にも充分耐えうる拡張性を備えるのが特徴と説明する。

(1)アートモデルは、屋外使用に対応した耐水モデルである「スタンダード」をベースに印刷やペイントにも対応したホワイトモデル。(2)インナールーフは、アートモデルにオプションとして加えられた、内外とも突起がほぼなくなる内装壁ドームユニット。プロジェクター投影が可能という。(3)エントランスパーツは、DAN DAN DOMEの開口部に上下にぴったりとはめ込むことで壁面に、下半分なら窓に、用途を変更することを可能にするオプションの扉ユニット。(4)スペースユニットは、2棟以上のDAN DAN DOMEを連結して複数の部屋がある空間として使用できるというオプションの通路ユニット(出典:東洋製罐)
(1)アートモデルは、屋外使用に対応した耐水モデルである「スタンダード」をベースに印刷やペイントにも対応したホワイトモデル。(2)インナールーフは、アートモデルにオプションとして加えられた、内外とも突起がほぼなくなる内装壁ドームユニット。プロジェクター投影が可能という。(3)エントランスパーツは、DAN DAN DOMEの開口部に上下にぴったりとはめ込むことで壁面に、下半分なら窓に、用途を変更することを可能にするオプションの扉ユニット。(4)スペースユニットは、2棟以上のDAN DAN DOMEを連結して複数の部屋がある空間として使用できるというオプションの通路ユニット(出典:東洋製罐)

 東洋製罐グループの独自ラミネート技術を活用して、高い耐水性のほか、フィールドアシスタントが長年培ってきた模擬実験のノウハウで宇宙と地上管制の現場を想定した検証が可能という。

 例えば、複数人の仲間と会話や協力を必要とする組み立てプロセスや実際の使用シーンでは、月や火星での基地建設作業を想定した船外活動でのチームビルディングや訓練の検証方法としても有効だという。閉鎖的な空間を簡単に作り出せるため、宇宙飛行士だけではなく地上管制官やプロジェクトに関わる、あらゆる人の宇宙生活を想定した体験の提供も可能だとしている。

(出典:東洋製罐)
(出典:東洋製罐)

 同社によると、内閣府が主導する「宇宙開発利用加速化プログラム(スターダストプログラム)」の一環として、QOLマネジメントシステムの検証も同施設を活用して実施されているという。

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