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天地人、衛星データで水田からのメタン排出量を推定する方法論を開発
2022.11.25 14:17
JAXAベンチャーである天地人(東京都港区)は11月25日、衛星データを活用し、水田からのメタン排出量を推定する独自の方法論を開発したと発表した。
2021年に開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の「グローバル・メタン・プレッジ」計画では、メタンの排出量を2030年までに30%削減する目標を宣言。2022年11月に開催されたCOP27では、米政権が最新の「米国メタン排出削減行動計画」を公表している。
気候変動の主な人為的要因は二酸化炭素(CO2)だが、近年、第2の要因であるメタン(CH4)が注目されているという。
CO2と比べて、メタンは濃度が低く残留期間も短いが、1分子あたりの温暖効果は高く、気候変動の人為的要因の約30%を占めるとされている。中でも、水田から排出されるメタンは、全体の約12%に上るという。
メタンの排出を削減し始めているグローバルな風潮の中で、同社は水田からのメタン排出量を推定する方法論の開発に成功したと説明。同方法論は、同社の強みである衛星データ、AI分析、水田農業の専門性を組み合わせたもので、光学衛星や合成開口レーダー(SAR)衛星の画像、衛星から取得した気候データなどを活用し、メタン排出に大きく関わる「水管理の履歴」を把握することに優れているという。
天地人は、同方法論の事業化に向けて、ビジネスパートナーの募集を開始した。大規模稲作経営者や小規模稲作農家が削減する水田のメタンをビジネスパートナーと共同で計測、監視して、データやサービスを提供する。
提供されるデータをサービスを活用することで、大規模稲作経営者であれば、ESGスコアなどを向上するのに活用可能であり、小規模稲作農家の場合、カーボンクレジットの発行を支援できるという
国内に限らず、米の生産量や輸出量が多いインドや中国、バングラディシュ、インドネシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、フィリピン、カンボジア、ネパールなどでの事業展開も想定する。