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日本の宇宙行政は「省庁間の連携が非常にスムーズ」–経産省宇宙産業室長

2022.10.04 07:15

小口貴宏(編集部)

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 日本の宇宙行政は各省庁によって担当分野が分かれている。産業振興なら経済産業省、通信の許認可なら総務省、農業分野なら農林水産省…といった具合だ。

 こうした縦割りの弊害を懸念する声も聞かれるが、「北海道宇宙サミット2022」に登壇した経済産業省の伊奈康二氏は「省庁間の連携は非常にスムーズにいっている」と述べ、懸念を払拭した。

経済産業省 製造産業局 宇宙産業室 室長の伊奈康二氏

 伊奈氏は「宇宙に関して言えば、省庁間の連携は非常に良い。内閣府さん、総務省さん、防衛省さんなどを中心に、最近は農水省さんや林野庁さん、海上保安庁さんなど、また国交省さんなど、さまざまな省庁と連携して事業を行うことが増えている。霞が関内では一体となってやっていこうという雰囲気がある」と述べた。

 また、ロケット発射場を抱え、かつ宇宙産業を核とした地域まちづくりを目指す「北海道スペースポート」(HOSPO)を運営するSPACE COTANの小田切義憲 代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)もも「ロケットを打ち上げるにあたって、約10の省庁との調整をする必要があるが、調整はスムーズ。私たちよりも霞が関の皆様のほうが、情報共有は速いのかなという気がしている」と述べ、省庁間の連携を評価した。

SPACE COTANで代表取締役社長兼CEOを務める小田切義憲氏

 一方で小田切氏は、日本において行政から許認可を得るのが難しい点を問題視する。

 「これは宇宙に限らない問題だが、日本では許認可事項の調整にやたら時間がかかるのが現状。今後国内のスタートアップが増えてきて、海外から日本で衛星やロケットを打ち上げたいという企業にとって、日本の既存の法律や規制が障壁となって『日本から打ち上げるのは難しいよね』ということにもなってしまう。今後も皆様とご調整をさせていただきたい」と小田切氏は述べた。

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