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ルクセンブルク企業、「量子暗号」の通信衛星を実証実験へ–欧州企業と協力

2022.09.29 11:31

塚本直樹

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 ルクセンブルクを拠点とする宇宙関連企業のSESは国際宇宙会議(IAC)で量子暗号通信を提供する技術実証衛星を開発すると発表した。

 SESと欧州宇宙機関(ESA)が署名した「Eagle-1」は、20社からなるコンソーシアムにより、2024年に打ち上げ予定の小型衛星を建設、運用し、3年間のミッションを実施するものだ。

 Eagle-1の主な目的は、量子暗号の中核技術である「長距離量子暗号鍵配送(QKD)」の実験だ。宇宙では、レーザー通信を利用することで地上よりも長い距離でQKDを展開できるという。

 Eagle-1の重量300kgとなる衛星はイタリアのSitaelが製造し、ドイツのTesatが光通信端末を提供する。ESAによれば、衛星は高度500kmの太陽同期軌道で運用され、欧州の地上局を1日に数回通過する。欧州のロケットで打ち上げる考え。衛星と地上システムを含むプログラム費用は1億3000億ユーロ(約180億円)となる。

 ESA長官のJosef Aschbacher氏は署名式で「Eagle-1は欧州の新しい量子暗号システムの主要な構成要素だ」と語っている。「これは欧州のサイバーセキュリティのための最初の衛星量子暗号システムであり、また安全でスケーラブルな欧州の量子通信インフラに向けた大きな一歩となる」

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