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「iPhone 14」シリーズが衛星通信に対応–緊急通報などが可能、北米で11月から

2022.09.08 15:33

小口貴宏 (編集部)

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 Appleの最新スマートフォン「iPhone 14」シリーズが衛星通信に対応した。セルラーの電波が届かない環境でも、空が開けた屋外であれば、衛星を経由して緊急通報を利用できるようになった。

 本来、衛星通信を利用するには、大きなアンテナ付きのデバイスが必要だった。iPhone 14シリーズでは専用の部品とソフトウェアを追加することで、スマートフォンの形状のまま衛星通信への対応を果たした。

 なお、利用できる帯域は非常に限られており、純粋なテキストデータでも送信が困難であるという。そこでAppleは、緊急通報でよく尋ねられる質問をiPhone 14の画面上に一覧表示し、一般的な回答をリストアップすることで、数回のタップで緊急通報できるようにした。これによって、送信できるデータ量を節約できるという。なお、それでもデータの送信に数十秒から十数分を要するとしている。

 メッセージが地上局に中継された後、緊急通報の受け手がテキストによる緊急通報に対応していない場合は、Appleが自ら設置した中継センターのスタッフがテキストメッセージを受け取り、緊急サービスの提供者に代理で電話をかけるという。Appleによると、これら仕組みを開発するために何年も要したとしている。

 このほか、「探す」アプリを用いて、衛星経由でiPhoneの位置情報を外部に知らせることもできるようになった。

 この衛星通信機能は米国とカナダで2022年11月から提供される。利用料金は本来ならば発生するが、iPhone 14ユーザーは2年間無料で利用できる。

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