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「アポロ13号」で宇宙から生還した船長ジム・ラヴェル氏が97歳で死去

2025.08.11 13:45

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)の有人月面着陸ミッション「Apollo 13」(アポロ13号)を率いた、宇宙飛行士のJim Lovell(ジム・ラヴェル)氏が米国時間8月7日に亡くなった。97歳だった。

Jim Lovell氏(出典:NASA)

 Lovell氏は4回の宇宙飛行を経験した宇宙飛行士だ。1928年に米オハイオ州に生まれ、1952年に米国海軍兵学校を卒業し、理学士号を取得。1958年から1962年までは海軍航空試験センターでテストパイロットを務め、その後にNASAに加わった。

 Lovell氏が初めて宇宙を飛行したのは1965年の「Gemini 7」(ジェミニ7号)で、史上初となる「Gemini 6A」との2機の有人宇宙船のランデブーを実施した。1966年には「Gemini 12」(ジェミニ12号)で4日間地球を周回。1968年には「Apollo 8」(アポロ8号)に参加し、史上初の月周回飛行を実施した。

 1970年に実施されたApollo 13では、Lovell氏は船長として参加。月面着陸を予定していた同ミッションだが、宇宙を飛行中に機械船の酸素タンクが爆発。3人の宇宙飛行士は月着陸船を救命ボートの代わりにすることで、地球への生還を成功させた。

 NASAのSean Duffy(ショーン・ダフィー)長官代理は声明で、「Jimの人格と揺るぎない勇気は、我が国が月に到達するのを助け、起こり得た悲劇を、我々が莫大なことを学んだ成功へと変えた。我々は彼の功績を称えるとともに、その死を悼む」と述べた。

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NASA発表

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