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「アルテミス2号」飛行士、宇宙服を着て宇宙船に搭乗–打ち上げ時の状況を体験

2025.08.07 14:04

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 月周回ミッション「Artemis II」(アルテミス2号)に参加する宇宙飛行士が米国時間7月31日、宇宙服を着用した状態で宇宙船「Orion」(オリオン)に乗り込んだ。

 月を周回するArtemis IIは、2022年に実施された無人飛行ミッション「Artemis I」(アルテミス1号)に続くものだ。Artemis IIにはNASAとカナダ宇宙庁(CSA)の4人の宇宙飛行士が参加し、2026年4月以降に打ち上げられ、宇宙で10日間を過ごす。

 Artemis IIのクルーはケネディ宇宙センター(KSC)で、初めて一緒に打ち上げ・帰還用スーツを着用してOrionに乗り込んだ。クルーが搭乗した状態でOrionの電源が入れられ、カプセルの生命維持装置や通信システムに接続されたほか、地上や飛行中の状況をシミュレートしたさまざまな条件を経験した(Orion船内で着る宇宙服は「Orion Crew Survival Systems」とも呼ばれる)。

 打ち上げ・帰還用スーツを脱いだ後、クルーはOrionに搭乗して月へ向かう間に必要な、不要になった打ち上げ用機材の収納などの作業も練習した。また、睡眠の段取りや船内の「衛生区画」に関する手順など、10日間のミッション中に使用する手順にも習熟した。

 「スーツクルーテスト」と呼ばれる、今回の試験は打ち上げ時に実際にどのような体験をすることになるのかを体感させるもの。地上や飛行の環境をさまざまな状況下で再現させた。空気の流出や生命維持装置の故障といった困難なシナリオを体験させることも含まれていた。NASAによると「あらゆるシナリオに対応できるよう準備を整えること」が目的という。

Artemis IIの宇宙飛行士4人。(左から)ミッションスペシャリストのJeremy Hansen氏(CSA所属)、ミッションスペシャリストのChristina Koch氏、パイロット(操縦士)のVictor Glover氏、コマンダー(船長)のReid Wiseman氏(出典:NASA / Rad Sinyak)
Artemis IIの宇宙飛行士4人。(左から)ミッションスペシャリストのJeremy Hansen氏(CSA所属)、ミッションスペシャリストのChristina Koch氏、パイロット(操縦士)のVictor Glover氏、コマンダー(船長)のReid Wiseman氏(出典:NASA / Rad Sinyak)

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Artemis II(NASA)
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