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カナダ、月面探査車を調査研究–3社が16億円で受注
2025.07.31 10:30
カナダ宇宙庁(CSA)は現地時間7月29日、米国主導の月探査計画「Artemis」(アルテミス)の一環として、月面用多目的探査車(ローバー)の初期調査研究契約を発注した。
多目的ローバーは、月面での物流や建設を含む宇宙飛行士への支援業務などが考えられている。カナダの宇宙システム専門企業であるCanadensys Aerospace Corporation、MDA Space、Mission Control Space Servicesの3社が総額1460万カナダドル(約16億円)の契約を受注した。今後18カ月にわたり、さまざまなサイズやミッション範囲にわたるローバーの能力を調査する。
カナダは2023年、多目的ローバーを開発するため、13年間で12億カナダドル(約1289億円)規模のプログラムを発表した。今回の契約はこのプログラムの一部。ローバーの開発と部品調達はカナダが主導し、その見返りとして、将来のArtemisでのカナダ人宇宙飛行士の搭乗枠を確保する。
「この多目的ローバーの設計と開発を通じて、カナダは国際的なパートナーと協力し、有人月探査の次の時代を形作る」と、カナダ産業大臣兼ケベック州地域経済開発担当大臣のMélanie Joly(メラニー・ジョリー)氏は述べた。
「多目的ローバーの開発は、カナダ企業が国際的に事業を拡大し競争するための扉を開く可能性を秘めており、最も革新的で研究開発が集約する産業部門の一つにおいて、今後10年間で200人の高賃金の雇用を創出し、維持することが期待されている」(Joly氏)

関連情報
CSAプレスリリース
多目的ローバー概要
SpaceNews
